救急部
当院は創立50周年を迎え、開院当初から創設者である長谷川芳男の意向により救急医療を最重要事項と捉え地域の救急医療に取り組んでまいりました。その後、長谷川岳弘が主軸となり当院の救急医療を牽引して参りました。
最近のコロナ禍下では医療資源の制約下、感染対策に細心の注意を払いながら可能な限り、継続して診療に当たり、昨年度の比企エリア救急車受入れ台数は最多となっています。
従来、整形外科疾患を中心とした、外科輪番に参加して参りましたが、2019年に江上医師が赴任し多発外傷、心不全、呼吸不全、心肺停止状態の患者の搬送数が増え、2021年には前埼玉医大総合医療センター救命センター准教授熊井戸医師が赴任し、専門領域である脳外科疾患及び小児頭部外傷患者の救急搬送も受入れています。
今後も診療科の充実を図るとともに外科輪番を維持しつつ、内科系疾患の受け入れも拡大していく方針です。
尚、令和4年6月23日 比企広域消防本部創立30周年式典で、当院も長年の救急医療への貢献を認められ感謝状を頂きました。
2021年12月より埼玉県災害時連携病院の指定を受け災害発生に備えた訓練等も定期的に行っています。
当院の災害医療への取り組み
東日本大震災を契機に当院では2012年より被災地ボランティア・9都県市災害訓練・防災訓練・新潟県小千谷総合病院防災訓練見学・群馬県利根中央病院防災訓練見学を経て、看護部研修旅行の一環として石巻市及び南三陸町へ視察に行き、看護師個々の災害に対する意識改革を行いました。
日本災害医学会等主催の各種災害コースへ参加し、受講修了者を増やしインストラクター資格を取得し院内災害研修を実施してきました。
災害用事業継続計画(BCP)を整備し、災害時に職員の確保し業務がスムーズに行えるよう備えています。
また、地域の消防・警察・病院と連携した大規模災害シミュレーションを実施し、入院患者さんの安全と地域医療の維持に貢献すべく準備するとともに各種学会発表を行い、職員のレベルアップを図り、さらに救急隊病院実習も積極的に受け入れております。
過去の大規模災害シミュレーション訓練
第1回 H27年(2015年)2月21日(土)
- 副題
- 災害医療は限られたマンパワーを活用した究極のチーム医療
- 想定
- 首都直下型地震(東京湾北部地震)が発生
東松山市に甚大な災害が発生している(病院 震度5強)
- 参加人数
- 160名(病院職員・各所消防職員・その他)
- 患者想定人数
- 50名
第2回 H28年(2016年)3月12日(土)
- 副題
- 情報の収集・伝達 減災への取り組み
- 想定
- 首都直下型地震(東京湾北部地震)が発生
東松山市に甚大な災害が発生している(病院 震度5強)
- 参加人数
- 170名(病院職員・各所消防職員・その他)
- 患者想定人数
- 60名
第3回 H29年(2017年)2月25日(土)
- 副題
- 継続が力になる めざす先に見えるもの
- 想定
- 関東平野北西緑断層帯地震が発生
深谷市を震源とするM8.1の地震が発生、埼玉県で最大震度7の揺れを観測
東松山市に甚大な災害が発生している(病院 震度6強) 商用電源利用できず
- 参加人数
- 220名(病院職員・各消防職員・その他)
- 患者想定人数
- 65名
- 特別企画
災害時の健康管理に関する実演と展示ブース
- 下肢静脈超音波検査を実践
- 災害時のリハビリ
- 弾性ストッキング着用体験
- 仮設トイレ「ラップポン」の展示
- 災害時の栄養、感染の検討会開催
第4回 H30年(2018年)11月10日(土)
- 副題
- 局地災害の対応を考え実働する
- 災害種別
- 局地災害 大型バス横転による多重事故発生
- 参加機関
- 埼玉県警察東松山警察署員、比企広域消防本部指揮隊・救助隊・救急隊、日本赤十字社小川赤十字病院救護班、ボランティア、各所消防職員、病院職員
- 参加人数
- 190名
- 患者想定人数
- 50名
- 特別企画
- 「本部の役割について」机上シミュレーション
地域医療貢献・参加
- 東武鉄道電車脱線事故訓練(2016年~)
- 日本スリーデーマーチ救護所(2015年~)
- 小川和紙マラソン大会(2015年~)
- 比企PUSHコース(2017年~)
- 各地メディカルラリー
- 定例カンファレンス
- 救急隊症例カンファレンス
- 救急隊病院実習受け入れ
学会発表
- 災害に対する備えの重要性について被災地ボランティアでの学び~現在の取り組み
2013年1月 埼玉県看護協会第二支部看護研究発表会 - 災害に強い病院を目指し、災害シミュレーションに取り組む
2015年6月18日 第65回日本病院学会 長野県軽井沢 - 大規模災害訓練において多数の参加者を管理するシステム作り~一覧表の作成と
院内スタッフの役割分担~ 2017年9月9日 第59回全日本病院学会 金沢 - 災害に備える地域多職種連携の構築~地域消防・病院との合同勉強会の実施~
2017年2月13日 第22回日本災害医学会 学術集会 名古屋 - 二次救急病院における多職種災害訓練~大規模災害訓練の実施~
2017年2月14日 第22回日本災害医学会 学術集会 名古屋 - 外来における災害対応の取り組み~避難経路安全確認ツアーを継続して
2018年1月 埼玉県看護協会第二支部看護研究発表会 - 大規模災害訓練、黒エリアの展開と今後の課題
2018年2月2日 第23回日本災害医学会 横浜 - 院外活動における安全管理と他機関との連携
2019年3月18日 第24回日本災害医学会 米子
災害関連研修参加者・インストラクター等
JDMS/日本災害医学会セミナー
- 受講生
- 85名(内インストラクター 7名)
JDMS/MCLS/多数傷病者への対応標準化トレーニングコース
- 受講者
- 12名(内世話人1名)
JDMS/MCLS/大量殺傷型テロ対応コース
- 受講者
- 2名
JDMS/MCLS/大量殺傷型テロ対応<病院内コース>
- 受講者
- 1名
JDMS/地域保健・福祉の災害対応標準化トレーニングコース/BHELP
- 受講者
- 3名(内インストラクター1名)
プレホスピタル救急医療・災害医療セミナー
- 受講者
- 10名(内インストラクター1名)
CBRNE災害への対応
- 受講者
- 2名
埼玉県独自DMAT養成研修
- 受講者
- 2名
病院におけるBCP策定について 全日本病院協会
- 受講者
- 6名
災害リハビリテーション研修会Basicコース・Advanceコース
- 受講者
- 1名
災害講演
当院職員による院外講演
- 日本スリーデーマーチ健康講座 丸広百貨店~いつ起きるか分からない災害に備えよう~
- 子育て支援センターソーレ ~救急医療と災害医療の違い~災害に備えよう~
- 近隣2次救急病院での災害講演会 ~災害への備え~災害時のCSCATTT~
院外講師による院内研修
- 院外活動における安全管理の重要性 埼玉県東松山警察署 交通課
- 院外活動シミュレーション研修 埼玉県東松山警察署 交通課